カメラのご寄付についてはこちらをご覧ください。

ドラクエに学んだこと

先日ドラクエ3のリメイク版が発売されました。
HD-2Dという「3D」と「ドット絵」のいいとこ取りの手法で、今の時代に蘇りました。
元々、同じスクエニの「オクトパストラベラー」という別のHD-2Dソフトの世界観が大好きで、主人公一人旅縛りなども挑戦するほどやり込みました。
そんなドラクエがHD-2Dで復活する!と、発表から3年待ち続けていました。

僕の世代では、ゲームと言えばファミコンが始まり。
中でも一番ハマったのは、ドラクエ3です。
スーファミのリメイク版ももちろんやっていましたが、数あるドラクエの中で一番好きなのはやっぱりドラクエ3。
最新ナンバリングのドラクエ11をやりこんでも、懐古厨と言われようと、やっぱりドラクエ3には勝てません。

しかし、ドラクエはしばしば一本道のゲームと揶揄されることがあります。
世はオープンワールド全盛期。
広大なマップと自由度、そしてグラフィックのリアルさが求められています。
そんな中発売されたドラクエ3は、全て逆を行ってるような作品であり、自由度もなければ、グラフィックも綺麗ではありますが、オープンワールドとは比べ物になりません。

僕がオープンワールドゲームをプレイしてもなお、ドラクエが好きなのは全てを表現しきらず、想像力を掻き立てられるからです。
繊細なグラフィックで全てのディティールが完璧に表現されているよりも、足りないくらいの方が、自分の脳で補う楽しみがある気がするのです。

ファミコンのドラクエ3は、今見ると単調でとてもやれたものではないですが、ソフトのジャケだったり、説明書や攻略本の武器のイラストだったり、現実はピコピコ動く単調なゲームでも、「本来はこの世界なんだ!」と勝手に脳内変換していました。

本などの活字もそうだと思いますが、文字だけを追い、情景を想像して楽しむものであります。
こんだけ多種多様な動画が溢れているのに、未だに本を読んでいる人は、想像するのが好きな人だと思います。
動画でも極説明的なものは、あまり好みでないのも、「少し足りない」ということを受け取り手に委ねたいという僕のドラクエから学んだ本質があるのかもしれません。

そして、これ以外にもドラクエに学んだことがたくさんあります。
「自分に足りないことは仲間で補うこと」
「敵わなければレベルを上げること」
「知らないことはその街の人に聞いてみること」
「酒場では仲間になる人がいるということ」などなど、当時は特に気にしていないですが、思い返せば大事なことが凝縮されています。
中でも「旅することのワクワク感」は、最も重要な学びであり、今の自分にも染み付いています。
もし、ドラクエがアリアハンだけの話であれば、全く面白くありません。
魔王を倒し世界に平和をもたらすということが本来の目的ですが、自分の足で世界中を旅することがこのゲームの面白さの基本になっているのは間違いありません。

こうしてドラクエで学んだことを実践してきましたが、唯一残念なのは、自分は勇者にはなれなかったこと。
今は中途半端に転職し続けたLV43の「あそびにん」という感じでしょうか。
いつか賢者に転職できればいいなと思っています。

池谷 常平

1981年東京都八王子生まれ。キベラクション発起人の内のひとり。元雑誌のライターであり、元クラブイベント主催など、意外と色々なことを経験して、今は映像制作にどっぷり。いつも同じボーダーTシャツを着ていることをよく揶揄されるが、本人は至って真面目。趣味は旅行とゲーム。好きなお酒はレモンサワーとマリブコーク。

関連記事